2020年から始まったコロナ禍の影響により、日本でのECサイトのニーズは高まり、その規模を拡大し順調に成長を続けています。
(2022年:経済産業省)
実店舗への来店が減り、EC事業を始めた店舗様も多いとは思いますが、その店舗のすべてが成功したとは、必ず言えない現状であることも確かです。
そんな中で今回は、たくさんの種類の商品を安く並べ、売上を立てるという従来のECのイメージは薄れ、スタッフの顔や名前を出し、実際に商品を使用しているイメージを想起させ、様々なメディアを通じて商品の良さを伝えるストーリーコマースの手法を使ったECサイト作りについて、ご紹介したいと思います。
目次
ストーリーコマースとは?
ストーリーコマースはECマーケティングの手法の一つであり、商品やブランドを物語として展開し、顧客の心を捉える新たなマーケティング手法です。
商品やブランドのストーリーを活用して、顧客とのエンゲージメントを深めることを目指します。古くから、通販カタログなどで行われてきたものですが、昨今ではECでも商品に対しての熱量を高め、顔の見えるスタッフや生産者、実際のユーザーが薦めるという傾向が強くなっています。
ストーリーコマースの目的は、ユーザーの感情や共感を引き起こし、商品やブランド、ECサイトに対する興味や愛着を高めることです。顧客は商品に対して単なる消費アイテムとしてではなく、自身の生活やライフスタイルの一部として受け入れるようになります。これにより、商品の認知度やブランドロイヤリティの向上、購買意欲の喚起などが期待できます。
型番商品では確立しづらい手法ですが、逆にオリジナル商品であればストーリーを作ること、広めることはそれ程難しくないのではないでしょうか。
こだわりがあり、語りたいことが山ほどある商品であればあるほど、ストーリーコマースに適していると言えます。
ストーリーコマースの効果的な活用方法
実際にストーリーコマースを実践するには、どのような対策や計画が必要になってくるでしょうか?
ストーリーの構築
まずは自社で取り扱う商品やブランドの背景、ビジョン、その価値などを物語りとして伝える準備をしましょう。
こちらのような画像よりも、
こちらの方がつい興味を持ってしまうのではないでしょうか。
今までに、MakuakeやCAMPFIREといったクラウドファンディングのサイトを見たことはあるでしょうか?
クラウドファンディングで支援を募っている商品の多くは、ストーリーの宝庫です。
一度目を通して頂けると分かると思いますが、クラウドファンディングは様々な方に応援してもらい、資金を募るシステムなので、まずはユーザーにその商品やサービスの良さを伝え、納得してもらう必要があります。
商品のストーリーを作り、ユーザーに伝える際には、一度参考にしてみてもいいかもしれません。
ビジュアル要素の活用
商品のパッケージやWEBデザイン、LP、ソーシャルメディアなど視覚的な様子をフルに活用して、商品のストーリーを強化します。商品の写真や映像、イラストなども効果的です。
ストーリーを語る上で伝えたいことがたくさんあるのは良いことなのですが、それをすべて文章で伝えてしまおうとするとつい目が滑り、せっかくの物語りも読み飛ばされてしまいがちです。
魅力的なビジュアルや映像はユーザーの興味を惹き付け、ストーリーコマースの効果を高める助けになるでしょう。
ユーザー参加型コンテンツ
ユーザージェネレイテッド・コンテンツという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
言葉は難しいですが、いわゆる口コミです!
一般的によく見るのは商品レビュー、SNSでの投稿、ブログでの商品紹介がこれにあたります。
InstagramやTwitter、note、Youtubeなどで、商品が顧客の生活に組み込まれるストーリーを共有することで、ブランドのストーリーに積極的に参加したという気持ちが高まり、商品やブランドの関係性を深めていくことに繋がります。
また、SNSで拡散されることにより商品の認知度が上がるという効果もあります。
マルチチャネル展開
ストーリーコマースの良いところは、その展開の場がECサイトだけにとどまらないところです。
ユーザージェネレイテッド・コンテンツの項でも述べた通りにECサイト以外にもInstagramやTwitter、note、YoutubeなどのSNSや動画コンテンツ、ブログなど複数のチャネルを活用し展開することで、ユーザーがより多くの場所やメディアで商品のストーリーに触れることができます。
窓口を増やし、多角的なアクセスが可能になることで、ストーリーコマースの効果をどんどん高めていくことができます。
広告費用を削減する新しいマーケティング
ストーリーコマースは、いわば自分たちで広告を作る、そしてユーザーに宣伝してもらうというマーケティング手法です。
一般的なネット広告を出稿すると、大小はありますが効果は出るでしょう。しかし、その分費用が掛かります。
ストーリーコマースでは、店舗様自らがコンテンツを作成し、ブログやSNSで発信し、それを受けたユーザーや商品のファンになったユーザーがコンテンツを作りさらにそれが拡散される、というサイクルが生まれると、経費を最大限に抑えたマーケティングが実行できるようになります。
自社のオリジナル商品は、様々なこだわりを持って生まれたのではないでしょうか。
農産物や海産物であればそれが収穫された土地のお話や流通までのこだわり、食材を使った美味しい料理のレシピなど。
アパレル商品、かばんやメガネのような工芸品であればそれを使ったコーディネートやその商品が生まれるまでの苦労やこだわり。
多くの商品を取り扱う店舗様も、まずは数種類から始める店舗様も、オリジナル商品を取り扱う店舗様であれば「語れる」物語は必ずあるのではないでしょうか。
また、商品へのこだわりだけではなく、それにまつわる豆知識やお店やスタッフのひととなりが知られるような情報の発信も、商品に添えるストーリーになります。
まずは、イチオシの、一番自慢の商品の物語りを発信し、ストーリーコマースを始めてみませんか?
ユーザーの心を捉え、ECサイトの成功を導く鍵に
商品にストーリーという商品価値を付与するストーリーコマースは、顧客とのつながりを深め、ブランドの魅力を引き立てる重要な手法です。ブランドストーリーや商品の魅力を物語を通じて伝えることで、顧客は商品に対してより深い共感や関心を抱くようになります。
Instagram、Youtube、note、Twitter、ブログ……様々なSNSやメディアを駆使して自社商品やブランドをより魅力的に演出し、ファンを増やしていきましょう。
また、ストーリーコマースでは最初から大きな結果を出そうと考えず、地道に小さな部分から始め、検証し、改善して少しずつ規模を大きくしていくのが最適です。
まずは少しずつ、小さなところからストーリー作りを始めてみてはいかがですか?
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