オウンドメディアの作り方。いまさら聞けない意味と構築の進め方について。

オウンドメディアの作り方。いまさら聞けない意味と構築の進め方について。
                        

オウンドメディア(Owned Media)という言葉を聞いたことがありますか?
最近よく耳にする言葉ですが、はっきりと説明するのは難しい……という方も多いと思います。
この記事ではオウンドメディアとは何か? というところからオウンドメディアのメリットとデメリット、さらにその構築や運用についてまとめていきます。

オウンドメディアについて

オウンドメディアについて


オウンドメディアとは

オウンドメディア(Owned Media)とは、Owned(所有)+Media(媒体)という日本語訳の通り、企業や組織などが所有して消費者に対し情報発信を行う媒体のことを指します。
たとえば自社の企業サイトやサービスサイトはもちろん、パンフレットや広報誌、メールマガジンなど、自ら情報をコントロールできるものはオウンドメディアとして分類されます。
また、オウンドメディアはペイドメディア(Paid Media – 広告費などの費用を支払って掲載する従来型のメディア)やアーンドメディア(Earned Media – SNSやブログなど、消費者(ユーザー)が発端となるクチコミや商品評価サイトなどのメディア)と並び、トリプルメディアと呼ばれ企業マーケティングにおける3本の柱となる1本を担うものです。

消費者からの発信を主とする、ソーシャルメディアと呼ばれるSNSに対し、オウンドメディアは自社で媒体の所有や管理をし、情報発信で運用する点が大きく異なります。
(ただし、ソーシャルメディアの企業アカウントはオウンドメディアに含めて考えるのが一般的です)

さらに、自社が直接運用するのでなはくても、代理店などに委託して、そこで管理が行われていれば、情報管理し発信する主体は自社となるので、これもオウンドメディアとされます。
だからこそオウンドメディアはコントロールしやすく、企業にとってメリットの多い情報発信チャネルなのです。
そして消費者にとっても、企業側がどのような情報を発信したいか、それを知るきっかけにもなります。

オウンドメディアの台頭と広がり

オウンドメディアは2011年頃に登場し、2014年頃から目にする機会が増え、広く認知され始めました。



複数のブログで並行して掲載できる広告とは違ってチャネルは限られてしまいますが、広告にはない強みがあります。
オウンドメディアは自社チャネルなので、SEOに力を入れることも可能です。
また、消費者からの問い合わせや、消費者への対応を手厚く行うこともできます。

オウンドメディアのメリットデメリット

オウンドメディアのメリットデメリット


オウンドメディアのメリット

オウンドメディアは、制約を受けずに自由な活動を行うことができるのもメリットのひとつです。
ですが、その分だけうまくコントロールを行い、チャネルの価値を高めていく施策が必要です。

オウンドメディアはECにおいて、販売チャネルのブランディングに有効です。
Webサイトやブログなどにおいて、消費者に公式な情報源として認識してもらうことができます。
正確な情報の発信が大前提ですが、製品やサービスの情報を求める人に対して働きかけることに長けているため、そういった消費者層の集客に向いていると言えます。

ペイドメディアにおける、広告出稿はメリットもありますがコストの消費です。
けれど、オウンドメディアはコストを資産に帰ることができます。
しかも、コンテンツやサイトの価値や質を高めれば高めるほど、資産価値もそれに伴い高まっていきます。

見込み顧客に対してアプローチがしやすい、訴求力の高いコンテンツが作りやすい、コンテンツの自由度が高いなど、オウンドメディアにはさまざまなメリットがあります。
情報をコントロールできないアーンドメディア、スペースが限定され情報量が限られるペイドメディアに比べ、完全に自社のみの純度の高い情報を発信できます。
また、完全に自社の情報のみを掲載するメディアなので掲載する情報を選定でき、コンテンツの価値が高い情報源と評価されるため、結果SEO対策にも効果的です。
価格競争の影響を受ける心配もなく、PDCAを回して品質を追及できるなど、まだまだ魅力的なメリットが存在しています。

オウンドメディアのデメリット

ここまでの説明だと、魅力にあふれているように見えるオウンドメディアにも、実は少なからずデメリットはあります。

そのひとつは、オウンドメディアには即効性がなく、継続してコンテンツの拡充や運用を行う必要がある点です。
速攻性を考えるならペイドメディア、広告の方が長けているので、これは目的や用途に合わせて使い分けていくのが良いでしょう。

また、自社で情報発信の媒体を運用するので、Webサイトやブログなどのメディアれあれば、サーバーやドメインなどの維持費というコストが発生します。
その他にも、継続的に運用するための人員も必要です。
オウンドメディアは短期間で効果の出るものではないので、数年~数十年単位で結果を出すつもりで、運用前に長期的な計画を立てることも大切です。

また、情報発信の方法が短期間に変更されると、その使いづらさから消費者の混乱を招き、見向きもされないコンテンツになる可能性を秘めています。
一貫した運用を心掛けるために社内での情報共有や人員の確保・育成なども必要です。
外注をするという方法もありますが、外部のスタッフを管理する難しさもあり、一定のコンテンツ力やデザイン、SEO対策の部分を求めるとコストもかかってしまうという点もデメリットとなります。

メリットとデメリットを見極めることが大切

オウンドメディアの運用において大切なのは、あくまでもオウンドメディアは情報発信媒体のひとつであり、他のメディアと組み合わせて相乗効果を引き出すという点です。
既にオウンドメディアは大手を中心に、さまざまな企業で活用されています。
大事なのはOwned(自社が所有する)であるということ。
他社の見様見真似ではなく、自社で何ができるか、何をしているかという独自性を発揮し、絶えず発信していくことが求められるでしょう。

また、運営管理の担当者や運用の責任の所在など、情報発信を担うだけあり留意する点はいくつも存在します。
昨今話題に上がることの多い“炎上”に対する対策なども、そのひとつです。

固くなり過ぎず、けれど自由過ぎないバランス感覚を持ち運用していくことが重要になるメディアなのです。

オウンドメディアのサイト構築の進め方

オウンドメディアのサイト構築の進め方


ターゲットの選定

オウンドメディアを始めるまえに、いくつか決定しておかなければならないことがあります。
まずはターゲットの選定です。

ペルソナマーケティングという言葉をご存じでしょうか?
ペルソナ(persona)とは直訳すると「登場人物」という意味。ペルソナマーケティングとは、サービスや製品の具体的なユーザー像を設定して行うマーケティングのことです。
例えば30代から40代の女性、既婚、共働き、という大まかな層を狙うターゲットマーケティングと違い、ペルソナマーケティングはより具体的でリアルなターゲットの人物像を想定していきます。
オウンドメディアにおいて、コンテンツの主となる読者のペルソナを設定することはかなり有用な方法と言えるでしょう。
ペルソナが決まってしまえば、どのような情報を発信するか、どのようなコンテンツを作成するかなどの指針の作成が楽になるからです。

構築計画を進める

ペルソナが決まれば、次は担当者の決定です。
運用担当、コンテンツ制作担当、Webデザイン担当、ライティング担当、SEO担当、そして責任者などを決めていきます。
ペルソナを設定していれば、そのペルソナのニーズを満たすようなコンテンツを制作するアドバイザー、記事を書くライター、キーワードを選定し設定するSEO担当者、ペルソナが好むデザインを作成する担当者の決定できます。
オウンドメディアサイトはマーケティングチャネルのひとつなので、どういった人たちに見せたいか、見られるか、という想定で構成を進めていきましょう。

ペルソナを設定したオウンドメディアのサイトでは、見込み顧客が問い合わせを行う可能性が高まります。なので、分かりやすいところにできる限りシンプルで入力がしやすい問い合わせフォームを設置し、気軽にお問い合わせを頂けるようにするのがベストです。

ターゲット層が定まり、方向性が決まれば構築計画の完了まではあと少しです。

長期的な運用を考える

そして大事なのは、長期的にオウンドメディア運用をするために、管理しやすいシステムを採用することも大事になってきます。
最近、さまざまなシーンで使用されるブログなどのCMS(Contents Management System – コンテンツマネジメントシステム)は、サイトを運用する際に、管理の手間やコストの削減に役立つシステムです。

オウンドメディアサイトは、決して必要はありません。製品や目的ごとに制作して公開できるという点もメリットです。逆に言えば、製品や目的を明確に定めて注力する方が、運用の目標も明確になり、継続がしやすくなるでしょう。

目的や目標が最終的に定まっているのなら、中間目標を決めその都度評価を行い、設定した目標に近付いてるかの成果をチェックしていくことで担当者のモチベーションも上がり、問題点の洗い出しなども容易になるので、定量的に評価が行えるようなサイトやコンテンツを構築することも、設計段階での重要なポイントです。

一度運用を始めてしまうと、後から大幅な方向転換をすることは難しいものです。構築において最初の計画や目標の設定は最も重要なポイントになるでしょう。
オウンドメディアを持ち、何を発信していくのか。新規顧客の開拓なのか商品・サービスの購入なのか、企業のブランディングや人材採用なのかなど、明確な目的やペルソナを定め、計画的に運用できるような構築を進めることがなによりも大切なポイントです。

オウンドメディアのまとめ

オウンドメディアは、自社で所持し自由に情報を発信できるメリットのあるメディアです。
自社の所有するコンテンツなので情報のコントロールがしやすく、消費者にとっても企業がどのような情報を発信したいのかを知るきっかけにもなる点が優れています。

反面、他のトリプルメディアに比べ手間やコストがかかるという点もあり、用途や運用によってはオウンドメディアに向かないものもあるかと思います。

自分たちがどんな情報を発信したいのか、どんな相手に向けて発信をしたいのかを見定めた上で、オウンドメディアの構築を考えるのが良いでしょう。

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